7号(5/18号) 痛快! サヨナラ劇

 関東在住の知人で、かなりの虎党を自認している男がいる。その彼の目下の夢は「一度でいいからタイガースのサヨナラゲームを生で見てみたい」、だそうだ。

 つまり彼は、甲子園は勿論、タイガースの主催ゲーム、つまり後攻めというのを観戦したことがない、のである。

 ところでその昔、タイガース本の出版のために、北海道から四国まで取材して歩いたことがあった。その時に、申し合わせたように各地のタイガースファンからも、全く同じようなことを耳にした経験がある。そのセリフの反語は「関西のファンは、サヨナラゲームを見れるチャンスがあるんだから幸せ」であろう。

 もうひとつその行脚の過程で感じたことは、聖地つまり甲子園球場から距離が遠く離れるほど、タイガースに対する思い入れが強いというファンが多かったということ。北海道でお二人、東京でもお二人、大阪発行のスポーツ新聞をわざわざ郵送してもらっている、という方がいた。一日、あるいは二日遅れになってしまうのだが、「一面にタイガースの記事が載っているのがいい」、「きちんと試合終了までの記事が読める」というのが主な理由だということだった。

 またこの若輩者に対して「本家の方」とおっしゃっていただいた応援団の方もいらした。「甲子園までの距離と、タイガースへの熱い思い入れは反比例するのだ」とつくづく思ったものだった。

 で、今シーズン初のサヨナラゲームはゴールデンウイークさなかの5月2日の対広島6回戦であった。本来なら4月11日の甲子園開幕ゲームで体験出来たはず(対中日1回戦九回裏、平塚の併殺打でサヨナラならず)のサヨナラ、何だかんだと三週間も待たされたが、ともあれ、あの日甲子園球場で、4時間24分の歓喜のゲームを、そして4年目の田中秀太選手のプロ入り初のサヨナラ打を目撃出来たファンは、本当に幸せ者だ。

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